玄関へのアプローチは来訪者のための車寄せを考え、少し引き込んだところに木の格子戸を設けしっとりと町並みに馴染むようにし、内外の中間領域的な、おおらかな空間となっています。

玄関に入ると大きなガラス窓を通してウッドデッキの真ん中に、この家のシンボルとしてのシマトネリコの葉が風にゆれているのが目に飛び込んできます。

デッキをはさんでプライベート空間である寝室とパブリック空間としての居間があります。

ニッチのような和室をもつ居間からデッキ方向を見るとシマトネリコの向こうはオーナーが子供のころに植えられた松が2本並び家庭菜園へと続くロケーションとなっています。

そしてキッチン作業をしながらもいつも目にふれる景色となり、さわやかな季節にはこのデッキに出て緑陰の読書に時間がゆっくりと流れていきます。

敷地周囲の道路境界は穴あきの素焼きレンガブロックとし、建物との間の緑と相まって 敷地周辺にもさわやかな印象を与えています。

歩行者の目からはパースペクティブの効いた白い建物と緑がやさしい記憶に残る場所となっています。